下北沢のサモトラ(サーモンアンドトラウト)を知っている人にお知らせです。
茶沢通り、代沢交差点近くのサーモンアンドトラウトといえば、世田谷の食文化を彩る重要なピースでした。ジャンルにとらわれない料理と、常識にとらわれないドリンクのペアリングで界隈の食いしん坊を魅了し続けたお店です。2024年に2代目シェフがお店を離れた後、ポップアップ的に様々なシェフとのコラボ営業を続けてきましたが、2026年の3月で13年の歴史にピリオドを打つことになったそうです。

何度も通ったこのお店、いよいよなくなるのかー。

この小さなオープンキッチンから魔法の様な料理が生み出され、奇想天外なドリンクがペアリングされるのは毎度素晴らしいエンターテインメントでした。

最後のフルコースをいただきましょう。今日はデザートまで8皿の組み立てだそうです。

現在のシェフはこちら。J-POPアーティストの様なイケメン。今どきのイケメンは料理もできるのですか。オヤジに敗北感を植え付けるに十分な破壊力です。

最初の一杯は泡からスタート。

今まで大変お世話になりました。噛みしめていただきます。

泡を合わせる一品目はホワイトアスパラにサヨリ。ソースは生姜+塩漬けレモン+ヨーグルトに何とか(失念)。アスパラに生の魚が乗っているのって初めてです。野菜にお魚の旨味を組み合わせて食べる感じです。変じゃない。全然いけます。

次はクラフト酒。原料にホップも混ぜているそう。

蛤と菜の花、白イチゴ。スープの様なソースはトマト+ハーブ+酒粕オイルといったかな。酸味がたっているお料理です。蛤と菜の花のお料理としては、過去食べた中で一番異色。でもこれ美味しかったです。クラフト酒もきりっと酸味を感じてお料理にピッタリ。僕はこの日一番。

続いて日本酒とシェリー酒のブレンド酒(手前のグラスはただの水です。紛らわしくてすみません)

次はグリーンアスパラ。太いのと細いの、スライスしたものが3種類で食感の違いを楽しみます。柑橘の皮と一緒に火入れし、皿上のソースはアスパラの軸とアーモンド。料理にかかっているエスプーマはなんだったか失念。

赤はピノノワールのナチュール。

赤を合わせるのはメジマグロ、うるい、ブラッドオレンジのタルタル。ソースは2種類。左下の白いソースはカシューナッツ+鰹出汁、左上の濃色ソースはブルーベリー+ルバーブ+発酵オリーブオイルと言ったかな?それぞれのソースで食べると全然違うお料理の印象。面白いです。

再び白へ。

ヒメジのポワレ(ソテー?なに?) ソースはコブミカン+レモングラス+ヒメジの骨+バンジョーというジュラ地方のワイン。

次はシャブリです。

シャブリといただくのはメダイ。シーク(奄美大島の柑橘)+白みそで味付けして焼いています。西京焼きとか柚庵焼きの様な和の雰囲気。ソースはタンカンと麹のソース。

メインコースには再び赤を合わせます。

北海道の羊。去勢した2歳半の雄羊肉を熟成させたものだそうです。付け合わせは青梗菜なのですが、折りたたんだ中にホタルイカが隠れていました。手が込んでいます。

デザートは菊芋のカスタードに炭酸を混ぜた土台と、上に乗っているのはミントのアイスクリーム。炭酸がピリピリします。こういうのは初めて食べました。

いつものジュンチャバリ紅茶で余韻を味わいます。

変わったお料理ですがどれもよくまとまっていました。食べていてとても楽しかったです。2代目シェフがいたころのお料理を思い出しました。現シェフは2026年6月ごろから世田谷区内でお店を出すべく準備中とのことで、めでたく開店となったら伺ってみたいと思います。
オーナーの柿崎さんは、しばらく充電期間を設けた後、新天地で何かのお店を出すことを目標に準備を始めるそうです。そちらもまた楽しみ。いつかお邪魔したいと思います。
下北沢には40年くらい縁がありますが、その間にもいくつもいいお店が消えていきました。また一つそういうお店が無くなるのは残念なことですが、そのDNAは形を変えてどこかで続いていくのでしょう。
2026年3月30日。営業最終日の大盛り上がりの中で、オーナー柿崎さんとご一緒に。

今気づきましたけど、変なTシャツ来ていますね(笑)
「不気味な神々は犠牲を必要とします。おそらくパン粉で十分でしょう」って書いてあります。真ん中のイラストはハト。

そういえばこの日の料理はハトを使ったものがいくつかあったかも。
不気味な神々(=ハト)への贄はパンくずで十分でも、そのハトを僕らは食べちゃいましたからね。美食の業は深いということでしょうか(笑)
サモトラさん、ありがとうございました。
そしてまた下北沢に新星が現れることを願ってやみません。